CASE

実績・事例

東北大学|URA業務に活かすコーチング入門セミナー

背景・目的

東北大学のURA等の皆様を対象に、「URA業務にコーチングをどう活かすか」をテーマとした全2回のスキルアップセミナーを実施しました。

URAの仕事では、研究者との面談をはじめ、教員・大学職員・学外関係者など、多様な人とのコミュニケーションが求められます。

必要な情報を提供したり、課題解決を支援したりするだけでなく、相手の話を丁寧に聴き、考えを引き出し、本人が次の一歩を見つけられるような対話が有効な場面もあります。

そこで本セミナーでは、コーチングの基礎を学ぶとともに、「聴く」「信頼関係を築く」「質問する」といったスキルを、URAの日常業務にどう取り入れられるかを体験的に学びました。

2回に分けて、基礎から実践へ

第1回では、まずコーチングとは何か、その基本的な考え方を紹介したうえで、「聴く」スキルを中心に学びました。

ペアワークでは、あえて相手に十分集中せずに話を聴く場合と、相手に意識を向けてしっかり聴く場合の両方を体験。

同じ話題でも、聴き手の姿勢や反応によって「話しやすさ」や「話したくなる量」がどのように変わるのかを、話し手・聴き手双方の立場から体感しました。

さらに、これまで大学・研究機関で実施してきた1on1コーチング、チームコーチング、LEGO® SERIOUS PLAY®を活用したワークショップ、コーチング研修等の事例を紹介し、東北大学のURA業務ではどのような場面にコーチングを活かせそうかを参加者同士で議論しました。第1回では、研究面談だけでなく、URA自身のキャリアやプロジェクト、組織内コミュニケーションなどへの活用例も紹介しています。

「信頼関係」と「質問する力」を考える

約1カ月後の第2回では、第1回の内容を振り返りながら、コーチングの土台となる信頼関係の構築質問するスキルを扱いました。

「研究者との信頼関係がなければ、どのようなことが起こるのか」「相手から信頼されるために、自分たちに何ができるのか」を個人・グループで考えるところからスタート。

質問については、単に情報を聞き出すだけではなく、相手の中にある考えを引き出し、思考を具体化したり、視点を変えたりするための問いについて学びました。

ペア演習ではこれまでに学んだ質問等を使って対話し、考えが具体化していくプロセスを実際に体験しました。

他大学の実践から、自分たちのURA業務を考える

第2回では、京都大学KURAと共同で開発した「研究面談コーチングKURAモデル」もケースとして紹介しました。

コーチングをそのまま研究面談に当てはめるのではなく、URAが持つ専門性や情報提供・課題解決の役割と組み合わせながら、研究者との対話にコーチングの要素を取り入れる考え方です。

モデルを題材に、「自分自身の業務で活かせそうなことは何か」を参加者同士で話し合いました。

参加者の声

アンケートでは、コーチングの考え方そのものだけでなく、実際に「聴く」「質問する」を体験したことについて、多くのコメントをいただきました。

「聞く力、聞き出す力はどちらも重要だと思いました。」

「問い方によって話しやすさが変わるのは実感した。自分が聞く時にこの経験は活きると思う。」

「自分自身を受け入れ、自分本来の強みや能力に気づき、自らの力で解決策を見つけられるように支援する点を再確認できましたが、気づきを与える難しさも同時に感じました。」

第2回終了後には、URA業務への具体的な応用についても声が寄せられました。

「大変勉強になりました。当部門でも新任教員訪問をしているので、ぜひ取り入れたいと思います。」

「コーチングについて実践的に学ぶことができた。」

「URA業務にコーチングの要素の重要性や必要性を改めて感じました。」

※掲載許可をいただいた回答から抜粋

コーチングを、URAの新たな「対話の選択肢」に

URAは研究者に対して、情報や制度を紹介し、選択肢を提示し、ときには専門的な助言を行う立場でもあります。

その一方で、すぐに答えを提示するのではなく、相手の話をじっくり聴いたり、問いを投げかけたりすることで、研究者自身の考えや本来持っている力を引き出せる場面もあります。

参加者からも、

「短期間のセミナーなのでまだまだ知りたいことが多いですが、対話のなかでこちらで話題や解決策を提示しがちなので、コーチングにより対話の質や相手の成長といった効果があることを意識していきたい」

という声がありました。

「教える・提案する」と「聴く・問いかける」。

どちらか一方ではなく、状況に応じて使い分けられることが、研究支援に携わるURAにとって重要です。

本セミナーは、短時間の入門プログラムの中でコーチングを知識として学ぶだけでなく、演習と対話を通じて、URA自身が日々の研究支援にどのように取り入れられるかを考える機会となりました。

実施概要

対象:東北大学 URA等
形式:対面セミナー
回数:全2回
主な内容:コーチングの基礎、聴くスキル、信頼関係の構築、質問するスキル、URA×コーチング事例、研究面談への応用、グループディスカッション
目的:コーチングの基本を学び、傾聴や問いかけなどをURAスキルの向上に役立てる