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URAとプロコーチ、実は少し似ている?

「人を支援する専門職」という共通点から考える

「URAの仕事に、コーチングってどう役に立つんですか?」

研究支援に携わる方々にコーチングについてお話しすると、こんな質問をいただくことがあります。
とても大切な問いです。

一方で、私はこの問いに対して、最初から「こう役に立ちます」という答えを決めてしまわなくてもよいのではないか、とも思っています。

URAの仕事は、大学や研究機関によっても、担当する業務によってもさまざまです。

では、URAの仕事のどんな場面で、コーチングの考え方やスキルが生かせるのでしょうか。

そのことを考える前に、今回は少し視点を変えて、**「URAとプロコーチには、どんな共通点があるのだろう?」**というところから考えてみたいと思います。


そもそも「コーチング」とは?

「コーチング」という言葉から、皆さんは何をイメージするでしょうか。

「目標を設定して、達成を後押しすること」
「質問をして、相手から答えを引き出すこと」
「部下の育成に使うコミュニケーション手法」

どれもコーチングの一面を表しています。

私自身は、もう少しシンプルに、
対話を通じて、相手自身が考え、気づき、可能性を広げ、次の一歩を見つけていくことを支援すること
と捉えています。

そのため、プロコーチは必ずしも「答えを教える人」ではありません。

相手の話を聴き、問いを投げかけ、ときには相手自身もまだ言葉にできていない思いや可能性を一緒に探索していきます。


URAとプロコーチの意外な共通点

私はこれまでURAをはじめとする研究支援者の皆さんと関わる中で、プロコーチの仕事と少し似ているところがあると感じるようになりました。

その一つが、
「自分自身が主役になるのではなく、支援する相手が力を発揮することによって価値を生み出す」
という点です。

URAは、自ら研究成果を出すことが仕事の中心では無いと思います。

研究者や研究チームに伴走し、研究費の獲得、研究プロジェクトの企画・推進、産学連携、研究戦略など、さまざまな形で研究活動を支えます。

プロコーチも同様です。

コーチ自身がクライアントに代わって成果を出すわけではありません。対話を通じてクライアントの思考や気づきを促し、その人自身が力を発揮することを支援します。

もちろん仕事内容は異なります。

それでも、
「誰かの可能性が発揮されるための環境をつくる」
という意味では、両者にはどこか共通するところがあるように感じています。


一方で、URAとコーチは違う

もちろん、URAとプロコーチは同じ仕事ではありません。

URAには、研究推進に関する専門知識や経験が求められます。

研究者に情報を提供することもあれば、専門的な立場から提案することもあります。関係者をつないだり、プロジェクトを動かしたりすることもあるでしょう。

一方、コーチングでは、コーチが専門家として「こうすればいい」と答えを提示することを中心にはしません。
むしろ、
「あなたはどう考えていますか?」
「本当に実現したいことは何でしょう?」
「別の見方をするとしたら、何が見えてきますか?」
といった対話を通じて、相手自身の中にある考えや可能性を探索していきます。

ここに、URAとコーチの大きな違いがあります。


URAは、いくつもの「関わり方」を使い分けている?

ただ、実際のURAの仕事を考えてみると、興味深いことがあります。

URAはいつも「専門家として答えを提供する」だけではないのではないでしょうか。

あるときは情報を提供する。
あるときは専門知識をもとに提案する。
あるときは必要な人と人をつなぐ。
あるときは研究者と一緒に考える。

そして、あるときは相手の話をじっくり聴き、問いかけながら、研究者自身が考えを整理することを支援する。

もしそうだとすれば、URAが持っているさまざまな「関わり方」の中に、コーチングと重なる領域があるのかもしれません


では、URAの仕事のどんな場面で生かせるのだろう?

たとえば、
若手研究者との面談。
研究者が今後の研究の方向性を考える場面。
異なる専門分野の研究者同士が新しいプロジェクトをつくる場面。
研究チームのメンバーが、それぞれの考えを持ち寄る場面。
そして、URA自身が自らのキャリアや専門性について考える場面。

こうしたところに、コーチングの「聴く」「問う」「対話する」という考え方が生かせる可能性はありそうです。

一方で、すべての場面でコーチングが有効だとは限りません。

専門家として明確な情報を提供した方がよい場面もあれば、迅速に意思決定し、プロジェクトを前に進める必要がある場面もあります。

だからこそ大切なのは、
「URAはコーチングを使うべきだ」と結論づけることではなく、URAの仕事のどんな場面で、どんな対話のあり方が役に立つのかを考えていくこと
なのではないでしょうか。


「URA×コーチング」を一緒に探索したい

URAの仕事のどんな場面で、コーチング的な関わりが役に立つのか。

逆に、どんな場面では役に立たないのか。

そして、研究者や研究チームの可能性を引き出すために、URAならではの「対話の専門性」とはどのようなものなのか。

私自身、まだ答えを持っているわけではありません。

だからこそ、この「URA×コーチング」というテーマを、URAや研究支援に携わる皆さんと一緒に探索していきたいと考えています。

このコラムでも、コーチングの基本的な考え方や「聴く」「問う」といったスキル、チームづくり、実際の研究支援現場での事例などを少しずつ紹介していく予定です。

皆さんなら、URAとプロコーチの「似ているところ」「違うところ」を、どのように考えるでしょうか。

ぜひ、皆さんの経験や考えを共有していただけたら嬉しいです。